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エルメス手帳をこよなく愛し、時々海外ドラママニア。大人らしく、都会で自由に暮らす。エルメス手帳の使い方を日々研究中。

【本】コスメティック:化粧品業界の暴露本?という噂が立つのも納得のお仕事小説

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最初に読んだのは20代前半のころ。仕事の合間に時間が空くたびに黙々と読みきりました。それから葉月里緒菜さん主演で映画化されたんだけど、私はやっぱり小説の方が好き。この濃度を2時間の映画として観るなら、原作を先に読む方がいい。映像もスタイリッシュでよかったけど、描写が細かいので読んでいて想像しやすいです。

 

▶︎あらすじ

化粧品業界の裏側で繰り広げられる働く女たちの闘い!バブル後のキャリア女性を取り巻く現実に直面し、打ちひしがれる主人公・沙美だが、自らの人生をあきらめられない。「仕事でも恋でも百パーセント幸福になってみせる」そこから沙美の“闘い”が始まった。嫉妬、裏切り、不倫…化粧品業界を舞台に繰り広げられる“女たちの闘い”は圧倒的なリアリティを持って描かれ、単行本発刊時には「暴露小説では?」と美容業界を騒然とさせた。人気作家、林真理子のベストセラー小説、待望の電子化!

 

外資系コスメメーカーが舞台のこの小説。中心は主人公がキャリアと恋愛と、っていうお仕事小説。厚さがそれなりにあるので、細かい描写や人物の背景がとても大事に書かれています。いきなり「辞めようかな、会社」っていうところからのヘッドハンティング、大きなチャンスに恋愛が絡み、女の嫉妬に不倫。なんかこれを読むといつの時代も同じようなことで女って悩んだり迷ったりするんだなって思ってしまう。


外資の厳しさっていうのは、私は身をもって経験しているのでその辺りも注目だし、かといってなんでもかんでもリアルだとドン引きしてしまうタイプなので(笑)そこそこのハッピー感というか、ライト感というか。無茶苦茶なエグさがないところが好きです(笑)あまりにもエグすぎると、自分のお仕事日記読んでるみたいな気分になってしまうんです・・・。そんなの疲れるじゃないですか。だからこそ、関わったことのないコスメという業界はすごくよかった。

 

コスメ業界も話には聞いたことがあったのですが、自分で経験したことがないので新鮮です。女の世界のようで、実は男性も多く活躍していたりする。大手企業のトップは男性のことが多い。国内メーカーと外国メーカーで細かい規定ややり取りがあるのは、ちょっとファッションブランドに似ている気がします。そしてまた何人か登場する魅力的なデキる男性たち。また変なところで共感もなんなのですが、口説くのが上手なモテ男っていうのが、、、そしてそういう相手をパートナーに選んじゃうっていうのが、、、その男って最後はすごい残念な言葉を吐き捨てるっていうのが、、、女性向け小説です(笑)「あ~いるわ」と思わずつぶやきたくなる。


単行本で購入したのですが、電子でも購入し直したぐらい思い出の強い1冊。林真理子さんらしい、読む側にとっては没頭して読める1冊です。20代の中盤まで「好きな本は?」と聞かれたら迷わず「コスメティク」と答えていました。

久しぶりに読み返したけど、やっぱりいい。

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