ファッション本は眺めているのがすごく好き。綺麗な写真に、不快にならない色のバランス。頭を使いたくないときこそ眺めたくなる。その中でこのファッションブックだけは読みたくなります。小説とは違う、納得の言葉が綴られている1冊。
▶︎あらすじ
THOM BROWNE.NEW YORKのコットンシャツ、CHANELのツイードジャケット、BALMAINのヴィンテージドレス、UNDER COVERのトレンチコート、SWATOWのハンカチーフ、SMYTHSONのカードセット…。“本物”を知り尽くした田中杏子ならではの56の名品セレクション。『Num´ero TOKYO』カリスマ編集長のファッションブック。
今の時代、「プチプラ」と呼ばれる特集が組まれていたりする。でも私はあまり好きじゃなかったりする。自分が着るかどうか、着こなせるかどうかって話は別として(笑)シンプルな定番アイテムだからこそ上質なものをっていうそのコンセプトが好き。こだわりの職人が作った手作りの1枚とか、時間をかけて選ばれた素材とか。雑誌は好きな方ではないので、本としてじっくり眺めるなら。デザインよりも心の栄養になるそういうものがいい。著者の杏子さんがアイテムの紹介をしながらコラム的に綴っている文章とコピーが好みすぎでした。
“最後に足元で変わる”
“TPOやマナーはとても大事”
“大切なのは、自分への投資”
“ハイブランドのほうが、実はエコ”
“赤は女の特権色”
“バッグは戦う女性の力強い相棒なのです”
“上質なものは、その一点で十分に映える”
“高価なものをあえて普段使いに”
こうやって書き出したのは、ほんの一部。そしてメモに残しておきたかったていうのもある。洋服よりも靴屋バッグが好きな私。名刺入れをビジネス仕様の色から変えるのを迷っている私。両親から上質の時計を受け継いだときに自分も自分にお金をかけたいと思った私。母が使ったものを私が、父のものを弟が使える、その上質さが好きな私。小物は迷わず赤系を選ぶ私。大事な会議の日はお気に入りのバッグを必ず持つ私。奮発して買った靴をはいた日は、他のカジュアルアイテムが高価に見えてしまう私。もったいないから使えない、はないと思っている私。
一言がとっても響く。
自分のちょっとした価値観が、一気に引き出される感じです。
これはバイブルになる!(笑)