labo. エルメス手帳の使い方

エルメス手帳をこよなく愛し、時々海外ドラママニア。大人らしく、都会で自由に暮らす。エルメス手帳の使い方を日々研究中。

【本】RIKOー女神の永遠ー:性愛と恋愛って背中合わせ、かも。

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かなり前に映画化もされたというこのRIKO。私は基本的に映像より書籍が好きなので、映画化やドラマ化されていても原作が好き。やっぱり描写が細かいので想像力が働くっていうのもあるし、映像には映像の、書籍には書籍のいいところがあると思っていて、どちらかというと後者が好きなのです。

 

▶︎あらすじ

男性優位主義が色濃く残る巨大な警察組織。その中で放埒に、そしてひたむきに生きる女性刑事・村上緑子。彼女のチームは新宿のビデオ店から1本の裏ビデオを押収した。そこに映されていたのは男が男を犯すという残虐な輪姦シーン。やがてビデオの被害者が殺されていく。驚愕の真相に迫る緑子に突きつけられた悲劇とは? 性愛小説や恋愛小説としても絶賛を浴びた衝撃の新警察小説。《第15回横溝正史賞受賞作》

 

なんというか、こんなに共感しないまま読み切ったのも珍しいくらい共感しませんでした(笑)そういうポイント以外で引き込まれていったという方が正しい気がします。男性社会の中で、主人公がどこまでも「女だしな」というのを言われ続ける。ちょっと時代を感じます。

 

あまりにも狭い中で主人公が恋愛関係を築いていく。もう体の関係を持つ相手もみんな身内っていう閉鎖感がまず私はものすごい苦手。これが私が共感しなかったっていう大きな理由の1つです。ただ、刑事という特殊な世界っていうのを余計感じさせるっていうのはありますよね。情報だってなんだって、徹底して外に漏れるのを防ぐ場所だったりするから。その世界観がそのまま恋愛にも反映されている。そんな閉鎖的な世界でも、この物語の軸にある「性愛」っていう部分では、主人公(女性)視点で感情や想いが描かれています。同時に昔の男と今の男と関係を持ち、さらに同僚とも。それぞれに抱かれながら「こんなところが好き」「感情が溢れる」「快感が押し寄せる」みたいなことを思うわけですが、またそれも主人公の過去や現在を反映していたりするのでそれほど苦じゃなく読み進められました。

 

ただなぁ。やっぱり過去関係を持った人と、現在関係を持ってる人と、4人とか5人がみんな同じ職場にいるって苦痛だ(笑)読んでいるときはそれほどじゃなかったけど、こうやって思い出してみると重いですね。あとは、刑事という職業なので犯罪解決に向かって進んでいきます。この辺は性犯罪がテーマになっていることもあって現在でもありうる内容になっているかなと思います。

 

いろんな職業があって、それぞれ特徴や暗黙のルールみたいなものが必ずあると思うけど、やっぱり刑事って特殊だなって感じずにはいられない。なぜか、知り合いの刑事さんが浮かんでくる程度にぶっ飛んでる世界だと思います。ものすごい常識の中で、だけど感覚が何か違う。実際に自分で入っていくことはないと思うので、こういう本ぐらいで触れるのがちょうどいいと思いました(笑)知り合いの刑事さんもものすごいいい人なのですが、そしてキャリアも抜群で知識も豊富。困ったときはものすごい助けてもらったりするしやっぱりすごいんだけど、会話がドラマみたいなんです。とても現実に起こったら私は受け入れられない。こんなグダグダ言いつつも、そういう方たちに守ってもらってるんだよね、と思う私です。

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