なんかもう「トレンド」っぽくなりつつある年下男子との恋愛。今回のこのシリーズ、20歳年下の部下と本気恋愛という設定。まず個人的にちょっとビビっちゃう要素が2つ入ってます。まずは年下男子(20歳差)、そして職場恋愛(部下)。もう恋愛になるかどうかの二大要素ですよ。
▶︎あらすじ
川名瞭子44歳、大手損害保険会社勤務。一昨年、課長に抜擢され、生涯独身生活の楽しみ方もわかり始めた矢先に、彼女の前に現れた沢島紘。彼は瞭子の部下で社会人3年目の24歳。猛アタックにほだされ、人には言えない秘密の交際をスタートさせた瞭子だが、年の差を気にする彼女と、それを埋めようともがく紘の思いはどんどんすれ違い―。「日本ラブストーリー大賞」大賞受賞作家待望の第2作。
もうね、なんだろう。すごい。いい意味ですごいです、これ。冒頭で書いたのですが、私からするとビビる二大要素なわけです。しかも主人公は私のリアル年齢より10ぐらい上なので、まだ私の年代ではわからないこともあるだろうと思っていた。思っていた、が。
あるね、これ。
と、何度も思いました。まず年下彼氏くんが想像以上に王子です。それは完璧に何でもこなしちゃうような王子ではなく、年上の女が何を言ったらドキッとするのか、何に対して心を許すのか、そういうところが王子なの(笑)いや、物語だからと言ってしまえばそうなんだけど、この超リアリストの私が、だんだん「こういうパートナーだったらいいよな」と思ってしまうぐらい。
さすがに私の年齢だと20下っていうのは(経験)ないんです。でも干支1周ぐらいだったら実はなくもない。私は職場も違ったし、立ち位置的に部下よりもある意味危険な立ち位置だったのでとてもとても先には進めませんでしたが、主人公の思う1つ1つはそんなに当時の私と違っていなくて。そういう意味で、物語だけど、年下男子が素敵に描かれすぎてるけど、同じくらい共感できることもあった。
休みの日も極力外に出ない(誰に会うか分からないから)とか、たまに外出したらうっかり同僚に出くわしてしらっとごまかすとか、ガンガン押してくる相手に対して「あなたは考えなくても私は年上だってことがどうしても頭から離れないの」とか言っちゃうところとか。こやって感想を書いているだけでも自分の思い出が生々しく浮かんでくるあたりに苦笑い。
年下男子要素だけじゃなくて、上司と部下という要素も今回は入ってくるわけですよ。これはこれで職場恋愛の良し悪しっていうのがあるわけで。私も経験があるため、現在は職場恋愛というより仕事相手恋愛NGを自分で決めているわけで。その部分が設定違いとはいえ、いいこと悪いことの両面で書かれています。久しぶりにすっかり忘れて鍵までかけていた思い出の扉を無理やり開けられた気分(笑)
恋愛は年齢ではないことはそろそろ分かるぐらいの社会経験をしてきたつもりです。同年代だろうと年上だろうと、一緒にいておもしろくない相手はたくさんいる。価値観のズレだって、趣味だって、仕事への情熱だって。逆に言えば年下でもその部分がピタッと合う人もいるわけです。誰か1人と深い関係を築こうとしたときに、何を自分が求めるかっていうのは人それぞれ。それと同じようにきっと相手もそうなんだと思うんです。だから「ありえない」は基本的にないんですよね、と頭では思っている。
だんだん話がまとまらなくなってきたのでこの辺で。
第一弾、第二弾、第三弾。主人公が1つずつ年齢を重ねていきます。そして仕事面でもキャリアを積んでいく。このあたりの彼氏の価値観と、彼女の価値観にも注目です。
オトナにはこういう恋物語は必要!(笑)